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2008年9月10日 (水)

蛇含草

自分の医者を相続人に任命する奴は馬鹿である。
金儲けの秘訣 ・第93条)



蛇含草、という古典落語がある。
ある日、たくさん餅をもらったオトコのところに、
友人が遊びに来た。
遊びにきたオトコのいうことには、わしは餅が大好物だ、
ここにある餅を全部喰えるくらい好きだ、といったので、
じゃあ、喰ってみろ、ということになった。
餅好きのオトコは、ほとんど食べたものの、
あまりの満腹さ加減になんとか早く消化したい、と考え、
帰宅後、たまたま家にあった、蛇含草を服用してみた。

蛇含草とは、ひとを丸飲みした蛇が、
消化を早くする薬代わりに食する草だ、
という言い伝えがあるのんで、
ワラにもすがる気持ちのオトコは、試してみたわけだ。

その後、餅を喰わせた方のオトコが、
山のような餅を喰った友人のオトコを心配し、
友人宅を訪れると、友人の代わりに餅がふとんに寝ていた。
オトコの方が、蛇含草で溶けてしまったのんだ、
というような噺だ。

さて、後期高齢者医療制度、というシステムが導入されて、
案の定、否定的な意見がでてきている。
それも予想通り、年寄りは死ねというのか
みたいな紋切り型の意見も多いようだ。

以前、日本の医療について、私的な意見を書いたことがある。
ぼくは、医療現場に働く者ではないが、
日本の医療保険制度や医療のシステムは、
かなり立派である
、と思っている。
あくまで、比較の上での問題で、
無限にお金を投入していいのならば、
いくらでも完璧なものがつくれようが、
そういうわけにもいくまい。
医療費は、ただだけれど、収入の半分は、
健康保険料の支払いに消える、というのでは、
医者にかかるために生きていることになってしまうし、
そうではなく、コストパフォーマンスとか、
他国との比較におけるパフォーマンスやバランスの良さ、
という観点で優れている、と思うのだ。

最近、岩波新書で、堤未果氏の、
ルポ貧困大国アメリカ、という本を読んだ。

アメリカでは高い医療費が原因で、
自己破産に追い込まれるケースが多い
ということだ。
しかも、日本のような公的な健康保険制度も発達しておらず、
また企業に勤める場合でも、十全な保障が受けられる、
とも限らず、高い医療負担を企業が嫌って、
健康上の問題があるひとはそれが理由で
雇用されないようなケースも多く存在するという。

他方、ヨーロッパ諸国は、一般的に福祉政策は優れているが、
税金や社会保障費への支出が日本やアメリカに比べ、異常に高い。
そういった国々では、消費税が20%を超えていたりして、
その他にも所得のかなりの部分、国によっては、
租税や社会保障費を全部含めて、
収入の半分以上を持ってかれるような状況
らしい。

日本は、国民負担率に関しては、アメリカに近く、
福祉の達成状況は、ヨーロッパに近いと思うのだけれど、
そんなうまい話が長く続くわけもなく、
そのツケは、赤字国債や地方債の垂れ流しなど、
とりあえず次世代に申し送っているわけだ。

ぼくは、アメリカの方式もヨーロッパの方式も是としない。
現状をなるべくうまく変更しながら、
長く保持することがいい方法だと思っている。
そのためには、行き過ぎた福祉は我慢せねばならぬ、
とも思っている。

後期高齢者医療制度は、その一環であり、
とりあえず手始め的なシステムなのだろうけれど、
出鼻をくじかれたかっこうだ。

蛇含草、ではないけれど、無理をしたあげく、
本体が失われるようなことにならなければ、いいのだけれど、
と思ったりする、おっさんなのである。


▼てなことを書いて、ほおっておいたところ、
福田首相がやめるそうだ。
総理在任中、ずいぶんぼろかすにいわれていたが、
やめるとなると、今度は、無責任だとか、
またぼろかすにいわれるんだよな。
どないせえ、ちゅうねんな(^_^;)

写真は、プノンペンの薬屋。

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