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2008年9月 4日 (木)

かいしやかぞく

家族といえど金儲けの邪魔はさせない。
金儲けの秘訣 ・第6条)



日本語は、限定された言語だ。
地域的には、日本国政府の統治が及ぶ範囲でしか通じないし、
日常的に使用しているのも、主にその範囲に住む住民である、
日本人に限られる。
そのへんの事情は、英語やスペイン語、アラビヤ語や中国語、
といった言語と大きく異なる。

もちろん、海外で見知らぬにーちゃんたちから、
シャチョオだの、オンナイラナイカだの、
話しかけられることがないではないが、
これは日本語が通用しているわけではないだろう。

日本人のもつ、経済力のおこぼれに預かろうとする、
現地人の涙ぐましい努力の成果が言語的に結晶化された、
事例に過ぎない。

そういう者たちにくれてやる資産を持たぬ、ぼくのようなものは、
かかわりにならぬよう、足早に通り過ぎるだけだし、
仮にかれらと触れあったところで、
それ以上、かれらと日本語を通じたコミュニケーションが
なされるわけでもないのんだ。

しかしながら、日本語が限定的であるが故に、かの地で、
珍妙な日本語と出会うことがある。
海外での日本の語彙は、確実に増えているし、それに比例して、
不思議な日本語と邂逅する機会も増えているような、
そんな気がする。

以前、台北で見かけた日本語教科書の、
あはん日本語完全攻略
、などもそうだろう。
ターゲットが日本語を学ぶ学徒である可能性の高さを
考えれば、わざとフザケテイル、とは考えにくい。

また別の機会に紹介した、ひろし
という名のスナック菓子にしても、
それに投下されたであろう資本や失敗したときの
リスクの大きさを考えれば、あながち受け狙い、
のみで生産されたとはぼくには思えないのである。

それに比べ、比較的少ないロット数で作成され、
宣伝されることもないTシャツなどは、
わざわざふざけて製作されたのではないか、
と思われるものも多い。

古くは、大和魂Tシャツに始まり、数々の名作が、
現われては消え、洗われては消え、したことだろう。

そんななか、ぼくが今一番印象に残っているのは、
かいしやかぞく、と書かれたTシャツだ。

たまたま、バンコクでみかけたときには、
あんまり深く考えなかったのだけれど、
これが、日本語のTシャツとして、
海外の民によって作成されたことは、
たぶん、偶然のなせる業にせよ、驚愕を禁じ得ないのだ。

会社家族、とは、実に日本的な企業のあり方
を示したことばであり、終身雇用制度と、
それに対する見返りとしてのその企業に対する忠誠心、
という、日本の故き美風を完璧に余すところなく
しかしながら、冗長にもならず、見事に表現している。
まさに、至言、といってさえいいことばだ。

しかしながら、そんな日本にも、
アメリカ流の無慈悲な労働慣習がもちこまれ、
今や会社家族的な美しい制度は、廃れつつある。

かいしやかぞく、は遠きにありて想うもの、
になってしまったことを激しく悲しむ、おっさんなんである。

Photo




  

 

 

▼かいしやかぞくの真の意味での推進者は、
ナショナルブランドの設立者である、松下幸之助氏だった、
ということだ。
しかしながら、今やかれらもパナソニックブランド
に統一されようとしている。
あの名曲、あかるーいなしょなーる
はどうなるんだろか(^^♪

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