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2007年10月29日 (月)

ベートーベンのひでお

運命♪は買えない。
金儲けの秘訣 ・第236条)


クラシック音楽のなかには、その愛称ゆえに、多くの人々から、
親しまれている曲がある。
そして、そういった曲のなかには、
作曲者本人が名づけたものもあれば、
そうでないものもあったりする。

本人がイメージした内容が曲名に反映されているものは、
聴くものがそれに同意しようが同意しまいが、
それでいいのんだ、と思うのだけれど、
作曲者の預かり知らぬところで、勝手に命名された作品は、
ある意味、作曲したひとには迷惑な場合もあるだろうな、
と思ったりもする。

標題音楽の始点は、ベートーベンである、という風にむかし、
音楽の時間にたしか習った。

もちろん例外はあるだろうけれど、ロマン派以前、
ベートーベンより前に活躍した作曲家の作品には、
基本的にオペラや宗教音楽などを除けば、
純粋な器楽の音楽に表題をつける、
という考え方はなかったのんだ、ということだ。
にもかかわらず、多くの楽曲に愛称があったりするのんだ。

逆に言えば、かれ以降の音楽に関しては、
自ら発想して命名された音楽と、
勝手につけられた愛称の音楽とが混在している、
ともいえるだろう。

ぼくはベートーベンの音楽を正直あんまり熱心には
聴いてこなかった、人間なのだけれど、
運命、だの、田園、だの、合唱付き、だの、熱情、だの、
月光、だの、ワルトシュタイン、だの、ハンマークラフィーア、
だの、スプリングソナタ、だの、クロイツェルソナタ、だの、、
という愛称のあるものは、単に、交響曲第○番、だの、
ピアノソナタ第●番、だの、ヴァオリンソナタ第▲番、だの、
というよりは、親しみやすく、また、記憶に残りやすいが故に、
覚えていたりする。

数年前、ベストセラーになった村上春樹さんの、
海辺のカフカ、という小説では、ベートーベンの大公トリオ
というビアノ3重奏曲、について、
けっこうねっちりと述べられていて、
そのことで、amazonのカスタマーレビューなんかでも、
100万ドルトリオ、なんてことばを使用されながら、
話題にあがっていたようだ。

同じ小説のなかで、シューベルトのニ長調のピアノソナタ
おそらくは17番目のソナタ、についても、
同様に言及されているにもかかわらず、
amazonのサイトでは、話題にあがっておらず、
話題に上っているのは、大公トリオ、の方だけだ。
小説中に話題にあがっている、アシュケナージ盤にしても、
ブレンデル盤にしても、そのCDについて、
カフカに絡めての言及はされていないようなのだ。

やはり、なんらかの別名、というのんは、
それだけ意味を持つのんだろう、と思わざる得ないようだ。

しかしながら、ベートーベンの交響曲第3番のように、
ナポレオン・ボナパルトに献呈されるために、
英雄(えいゆう)、という別名がつけられたが、
かれが皇帝になろうとしたために、怒ったべートーベンが、
かれへの献呈を取りやめたにもかかわらず、
未だこの曲が、英雄呼ばわりされるのは、
死んだベートーベンも浮かばれないだろうと思う。

それゆえ、ぼくは、この曲を、英雄(ひでお)、と呼んでいる。
えいゆうと呼ぶべきでないのだったら、ひでお
と読むしかないぢゃないか、と思うのはぼくだけなのだろうか。

ま、この献呈にまつわる伝説も、本当のところは、
真実か否かはよくわからん、らしいのだけれどね(^^



▼ベートーベンの第3交響楽の読み方に関しては、
圧倒的多数派のえいゆう学派、
穏健保守派の、ひでお学派以外に、
急進的左派の、えいお派、
右派武闘派のえいおす派、
アナーキスト集団のひでゆう派、
スペイン国民会議派の流れを組む、ひでおす派、など、
今後も予断を許さない状況で、目下、権力闘争を続けている。

ひでお派に勝利を!
他派に血の粛清を!!





って、冗談ですよ、もちろん^^;

 

▼▼ところで、ベートーベンのすべての曲のなかで、
ぼくが一番聴く機会の多かった曲は、
ピアノ協奏曲第5番、別名、皇帝、だ。
しかしながら、これも命名の由来がよくわかってないらしい。
何枚か、この曲のCDをもっているのだけれど、
マイフェイバリットは、グレン・グールドがピアノを弾いた、
ストコフスキー指揮アメリカ交響楽団のCBS盤だ。
初めて聴く者は皆、その始まりの部分の、
異常なテンポの遅さに驚く、という、
異形中の異形の演奏なのだけれど、
何回も聴くうちに、これでなければ、物足りなくなる、
という魔力を持った、演奏でもあるのんだ。
ぼくは、皇帝を聴くときは、最近はもっぱら、これである。
普通の皇帝に飽きたひとは、
いっぺん聴いてみることをお勧めする(^^♪

 

Photo 写真は最近買った、グールドの、
オリジナルジャケットコレクション。
80枚組で、3万円を切る値段だった。
お好きな方にはお買い得な一品だと思う。

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