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2006年12月20日 (水)

どないちゃうねん

最近、些細にでも自分の人生と関わりのあった、
ひとびとを妙に思い出したりする。

これが、死の直前にみるという、人生の走馬燈現象
ってやつの一環だったら、そろそろ覚悟を決めなきゃいかんな、
と思ったりもするのだが、今日はまだ生きてるようだし、
とりあえず、思い出したことを書いていたりする。

予備校のクラスメートにヤマダ先輩(仮名)、というひとがいた。
かれは、同じ予備校生ながら、3浪だということで、
私文クラスの仲間うちでは、先輩呼ばわりされていたのだった。

かれは、喫煙コーナーでタバコを吸いながら、
先代の故林家小染師匠のような、
曖昧で穏和な笑顔
を浮かべて、

最近、飯がうまあてしかたない

とよく語っていた。
逆風吹きすさび、友人もまた敵、といった感のあった、
ぎすぎすした浪人生活のなかで、
かれの存在は、まさにいっぷくのタバコのように、
ぼくたちをほっとさせてくれるものだった。

ある日、かれは、妙にあらたまった風に切り出した。
おれ、みんなに隠してたことあるねん。
みんな、どんな告白が始まるんだろう、と緊張し、
かれの次のことばを待った。

オレ3浪、っていってたけど、実は4浪やねん。

みんな、偉大な先輩への敬意は忘れなかったものの、
はあはあ、と相槌をうちながら、
どないちゃうねん、と正直思ったものだ。

その後、ぼくはなんとか自分の志望校へ入学が決まったけれど、
先輩の噂は、ようとして聞かなかった。
ひょっとすると、もうしばらくあの場所にいてはったのかもな、
と思わないでもなかったりする。

そして十数年がたち、ぼくらが通った予備校も、
大手との競争に敗れ、廃校になってしまったらしいし、
かれがいまどこでなにをしているのか、
それこそもう知るよしもないのだけれど、
きっとまだ、どこかでだれかを和ませてるぢゃないのかな、
とふと思うのだった。



▼故林家小染師匠は、落語家として将来を嘱望されていたが、
若くしてお亡くなりになられてしまった。
お酒が好きで、酔っぱらって道で寝ていて、車に轢かれたのんだ。
忘年会の季節だけれど、寝るときは、ちゃんとふとんで
寝るようにしたいものだ。

_in_bkk



寝床@プラザアテネ in BKK

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