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2006年11月11日 (土)

SONY帝国の落日

初めてウォークマンで、音楽を聴いたときの衝撃は
忘れられない。
カセットテープの再生機なのに、なんといい音なんだろう、
というのが、その主な感想だった。
今から、20数年前の出来事だった、と思う。

衝撃は、初代のウォークマンで留まらなかった。
2代目のウォークマンは、厚みこそあったものの、
大きさは、カセットテープより少し大きかっただけで、
ぼくは、ほんとにびっくらこいてしまったものだ。

お猿が、グリークのピアノ協奏曲の冒頭部分を聴いて感じ入る、
という風なCMとあいまって、あの製品は、売れに売れた。
あれからずっと、SONYは輝いていた

ところが。

ここ数年は、どうしたことだろう、SONYのいい話は
でんでん聞こえてこない。
とくに今、アップルのiPodが席巻している市場は、
本来、SONYのシマ、だったはずだ。

しかし、いまだにアップルの快進撃を止められずにいる。
むしろ、PC用電池でみずからのブランド力の危機と、
その後始末で、経営的な問題にさえ直面している。

iPodの勝利は、自分を殺したところからはじまった。
死んでこそ、浮かぶ瀬もあれ、ノモンハン、というやつだ。

アップルがiPodを最初に出したとき、
自社製のコンピュータをもっているひとのみが
それを使用する権利をもっていた。
iPodでマッキントッシュを売ろう、という戦略だったわけだ。

しかし、iTuneを無料で配布し、
Windowsでも使用できるようにしてから、
iPodは、大ヒットすることになった。

それに対し、SONYは傘下に音楽ソフトの会社をもっていた。
アップルのように、著作権に対して比較的寛大なスタンス
というものをもてなかったのが、今日まで続く大きな劣勢の要因
になっている。

著作権を考慮する余り、メモリーステックウォークマンは、
当初ひじょうに使いにくい商品だった。
そして、ファイル形式もmp3ではなく、自社開発のものだった。
しかも、当時安くもなかった、著作権対応のメモリーステックを
別に買わねばならなかったのんだ。

結局、この商品は、市場から静かに退場していくことになった。

この製品以後、ぼくは、たくさんのハードディスク型、
あるいは、フラッシュメモリ型の音楽プレーヤーを買った。

第2世代iPod15GB、初代iPodnano4GB、
東芝ギガビート20GB、
そして、最近、手に入れた新型iPod80GBだ。

けれど、使用しにくかったメモリーステックウォークマン以後、
SONY製品は、ひとつも買ってない。
買いたくなるような、斬新で魅力的な製品が出ていないから、
というのがその大きな理由である、と思う。

でもそのうち、SONYはきっとなにかしてくれるに違いない、
とぼくはまだ信じている。

がんばれ、SONY。

▼最近、ロケーションフリー®、に関心がある。
値段もすでに手頃だし、もっと宣伝などに力を入れれば、
大きな市場になると思うのだが、SONYは何故せぬのんだろう。

Sonyipodnano





写真は、見にくいけれど、プノンペンで見かけた
SONY製のiPodnano^^;
同じビルのなかに、正規のSONY製品を扱うショップもあった
のだけれど、ちゃんと共存できるのがアジアンスタイルかな(^^

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コメント

ipodやウオークマンに格別興味の無い私ですが・・・
>死んでこそ、浮かぶ瀬もあれ、ノモンハン
のとこで目が止まりました。
浅学で恐縮ですが、最後のノモンハン、これ本当にこう言うの?
それとも師匠のオリジナル?

はぎちゃん、まいど^^

>ipodやウオークマンに格別興味の無い私ですが・・・
それは残念ですだ。
この件も膝を交えてお話ができる、と信じていたのですが^^

>>死んでこそ、浮かぶ瀬もあれ、ノモンハン
>のとこで目が止まりました。
>浅学で恐縮ですが、最後のノモンハン、これ本当にこう言うの?
>それとも師匠のオリジナル?
ついにみっかっちゃいました。
これは実は、北某国への暗号文、ではなくて^^;、、、

村上春樹さんの「ねじまき鳥クロニクル」という作品のなかに、
登場する本田大石、という耳の遠い占い師のセリフなんすよ^^
かれはノモンハン戦争時に、伍長として従軍していて、
他にも、身を捨ててこそ、浮かび瀬もあれ、ノモンハン、
というセリフもたしかあったかな(^^

【ソニーは『白色矮星化』で減光する夕べ】
 ソニーのこのところの停滞状況は、「落日」という表現よりは、『白色矮星化』と呼んだ方が、内的な要因が、人によっては理解しやすいだろう。「落日」ならば、翌日には「日昇」となり、再び明るくなる。この表現では、環境問題としか捉えていないからだ。「白色矮星化」とは、内部の発熱する燃える物が無くなって、長い年月を経て減光し消えていく恒星の事だ。ソニーは、この「内部の発熱する燃える物」が失われた、老齢期の元気が無い人になったかのように見える。どうしてだろう?原因のひとつは、日本の風土に合わない「成果主義」を導入したからだ、という説がある。目先の数値目標に振り回されて、もっと大きな成果が出るかもしれない、息の長い開発研究や、チャレンジが出来なくなるからだ、とも言われている。この説によると、「仕事の報酬は仕事だ」という。仕事の報酬として、より大きなスケールの仕事を与えられると、人は「権威」が出て来る。このような権威が他の人を引き付けて、ビッグプロジェクトをこなす原動力となるのだろう。技術者界の「モーゼ」か「イエスキリスト」にでもなって、多数の技術信奉者に囲まれるようなものなのだろう。

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