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2006年9月30日 (土)

出なかった最後の1枚

フリードリッヒ・グルダというピアニストが好きだった。
過去形なのは、かれがすでに鬼籍に入ってるからで、
かれが残したCDの数々は今でも愛聴している。
なかでも、クラウディオ・アバドの率いる
ウィーンフィルと共演した、モーツァルトのピアノ協奏曲の
20番、21番をカップリングしたものと
25番、27番をカップリングした、2枚のレコードは、
かれのベスト盤、といってもいいのではないか、と思っている。
そしてぼくにとっては、この曲のベスト盤でもあるのんだ。

このレコードには、副題がついていて、
グルダが好きなモーツァルトのピアノ協奏曲集、とあった。
当時、3枚のレコードが出される予定だ、
と聞いたような気がしたのだったが、残念ながら、
この組み合わせによる、3枚目のレコードはついに出なかった。

2枚のレコードを制作発売したのは、
ドイツグラモフォンという会社で、
数々のすばらしいアーティストと契約し、
数々のすばらしいレコードを世に出してきた会社だった
のだけれど、当時、奇妙なマーケティング戦略を持っていて、
同じ時期に同じ曲が別の演奏者によって、
レコーディングされることを嫌がる傾向があった、ようなのだ。

一見、もっともな考え方、に見えるけれども、
クラシックのレコードは、流行歌のそれとは違って、
セールスの期間が長い上に、希望が通らなかったアーティストは、
まあ、1流のひとに限られるけれど、
別のレコード会社から、同じ内容のレコードを出すことになる
のんで、やっぱりあんまり合理的な方法ではなかったのでわ、
とぼくは今でも思っている。

このときも、マウリツィオ・ポリーニが、カール・ベーム指揮の
ウィーンフィルと、モーツァルトのピアノ協奏曲の
19番、23番をレコーディングしていて、
このために、3枚目の録音が問題になったのであろう。
グルダの20、21番が1975年、
25、27番とポリーニの19、23番が、1976年の録音だ。

結局、グルダは、ニコラウス・アーノンクール指揮で、
アムステルダムのコンセルトヘボウ管弦楽団と共演し、
モーツァルトのピアノ協奏曲の23番、26番を
別のレコード会社で、1983年に録音している。
これはこれですばらしい演奏であることは間違いないと思うの
だけれど、50歳代半ばに録音された、2枚のグラモフォン盤が、
ぼく的にはあまりに印象深かったが故に、
同じ時期に同じ組合わせで、ドイツグラモフォンから出なかった、
その1枚がどうしても惜しまれるのであった。

このあいだ、2000年に亡くなったグルダの
追悼番組がやっていて、そのなかで、当代きってのピアニスト
のひとりである、マルタ・アルゲリッチが、
モーツァルトのピアノ協奏曲の20番を追悼演奏するときに、
かれ(=グルダ)のようにはうまく弾けないけれど、
とテレビカメラの前で述べていたのを聞き、
かのじょにあのようなセリフをいわせるなんて、
また、かのじょがあのようなセリフをいうなんて、
まったく、天才は天才を知る、とはこのことなのだな、
と感じ入ったぼくなのだった。

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▼グルダはなにがおかしかったんだろ^^

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コメント

師匠、こんばんわ〜

>グルダはなにがおかしかったんだろ^^
昔、某国の人に日本語を教えていた時
「○○同士」という例文があり試しに学習者に他のことばにいれかえて作ってもらったことがあります。
そのとき独りの中年男性が、
「わたしと××さんはハゲ同士」
っていう例文を作りました。
ホントに頭が寂しい方同士だったので悪いけど吹き出したことをなんだか思い出しました〜^^;

(すんません!素敵な話題ににつかわしくありませんでした〜orz)

はぎ妻さん、まいど^^

>>グルダはなにがおかしかったんだろ^^
>「わたしと××さんはハゲ同士」
っていう例文を作りました。
>ホントに頭が寂しい方同士だったので悪いけど
>吹き出したことをなんだか思い出しました〜^^;
これはすなわち、グルダさんの頭を見て、かかれたんでしょうか(^^?
でも、彼は横にはけっこうふさふさあるんですよ^^
前部に不足気味なのは、インテリジェンスの証、なんでは、
と思ってやす。
お茶の水博士だって、そうだったし^^;

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