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2006年4月13日 (木)

10.0

そこそこ長い人生のなかで、生のスピンターンを
2度見たことがある。
スピンターンとは、運転しながら急角度に
車の向きを変えるテクニックで、
念入りに練習しないとなかなかできるものではない。

1度目は、九州の熊本県上津江村にあったオートポリス
というサーキットでのことだ。
当時の日本は、空前のF1ブームで、
年1回ある鈴鹿サーキットでのグランプリのチケットは、
ほんとうにプラチナチケットだった。
でも、ぼくはどうしても生でF1を見たかった。
そのころ、まだ海外への渡航経験のなかったぼくは、
国内でF1をみることしか思いつかなかったし、
海外にF1のために行くなんて、あんまり現実的な方法
とは思わなかった。
そこで、今度新設され、翌年にはF1が開催されるという
話がでていた、
オートポリスの会員になって、F1を見ようと考えたのだ。

オートポリスの会員権は20万円
そのほかに20万円分の債権を買わされたような気がする。
当時のぼくは、プライベートであんまりおもしろい
ことがなく(不遇なときが多いな)、
仕事も忙しく、あんまりお金を使うこともなかったので、
そんなお金を出す気になったんだろうと思う。

ある日、オートポリスから
天才たけしの元気が出るテレビのロケで、
ネルソン・ピケロベルト・モレノがゲストで来るので、
会員には優先して、参加してもらいます、きませんか、
という案内がきた。

正直、果てしもなく遠いところに思えたけれど、
ネルソン・ピケが見たくて、オートポリスまで出かけていった。
そして、オートポリスはその後しばらくして経営破綻し、
結果的に、ぼくがオートポリスにいったのはその1回きり、
もちろん、F1はきやしなかった。

ネルソン・ピケは、F1で3度ワールドチャンピオン
なったおとこで、
口の悪い人にいわせると、3度ワールドチャンピオンに
なってしまったおとこ、である。
たしかに一流のドライバーではあったけれど、
天下を3回も制したのは、かなり運と巡り合わせがよかった
といえるかもしれない。

ロケでの登場は、ふたりのF1ドライバーのスピンターンだった。
まず、ピケが自信満々に登場し、ついでモレノが少し自信なげに
あらわれた。
やはり、ピケの止まり方の方が、豪快で頼もしかった
ような気がしたのだけれど、
モレノには、たぶん、ピケに対する遠慮もあったのだろうと思う。

そして、2度目は、数年前の雨の日の近畿自動車道だった。
雨とはいえ、4車線あるし、なかなか快適な道である。

数百メートル前で、荷物を運ぶコンテナをつんだトラックが
スピンしていくのが見えた。
事故だ。
けっこう長いトラックで、いくら4車線あっても、
あれが横向きになったら、1車線残るか、残らないかだろうな、
たぶん、自分は止まれるだろうが、後の車はどうだろう、
と思いながら、ぼくは、トラックが道路上を
すべっていくのをみていた。
ぼくは妙に冷静だったし、
まるで、すべてがスローモーションのようだった。

制御を失っていたトラックは、ちょうど半回転して、
こちらにフロント部分をこっちに向けた状態で、止まった。
そう、スピンターンをしたような感じで、左から2車線目に
ちょうど逆向きに止まった状態で完全に停止したのだ。

たぶん、偶然だったのだろうと思う。
しかし、完璧だった。
その豪快さ、美しさ
しかも、トラックで。
ネルソン・ピケを超えていた。

ぼくは、スピードを緩めたまま、その一つ右の車線を
無事に通り過ぎた

助かった。
ぼくは、事故に巻き込まれたなかった奇跡に感動した。

あのあと、あのトラックがどうやって方向転換したかは知らない。
たぶん、いっぺん流れを止めないと、無理だと思うのだけれど、
その日のニュースでとくに事故の話は聞かなかったので、
うまくやったのだろう。

家に帰ってからも、現実に起こったこととは思えなかった。
とにかく、あのトラックの運ちゃんのスピンターンに、
ぼくは、10.0をあげたのだった。


▼オートポリスは現在またむかしの名前で営業してるようだ。
もちろん、経営母体は、違うだろうけど。
Photo_55




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コメント

師匠、こんにちわ〜

私はスピンターンなんてざんねんながら一度もみたことがありません。

ところで、このトラックの運転手さんが、じぶんのスピンターンに「10.0」をもらったと知ってしまったら、ところかまわず自分のスピンターンを披露しまくり世の中の大迷惑になる可能性が考えられるので絶対に知らせない方が良いと思います(笑)

私は、父と乗っていた車で、まさしくスピンターンしました。
スキー場からの帰り道の下り坂。
スタットレスタイヤもはいていて、ブレーキを踏まないように充分注意していたはずなのに、、、

クル!

何が起こったのかわかりませんでした。
車は反対車線を超え、新雪の壁に突っ込みました。
反対車線に車がなく、しかも新雪だったのが幸いでした。
怪我もなく、車も壊れていませんでした。
雪から、借りてきたスコップで車を掘り出し、そのまま帰阪しました・・・

あんなことは、一生に一度でいい。。。

トラックの運ちゃんには、私も10・0を出したいと思います。

おはようございます♪

オートポリスのお話、ゴルフ場の会員権のような話でしたね(TT)
私は買ってないんですけど、バブルの時に買った人の話を聞くと何だか侘びしい気がします。。。

私も阪神高速で軽のワンボックスがスピンターンしたのを
観た事があります。これがまたゆっくりと
キレイに回って行くんですよ。
フィギュアスケートみたいに(笑)

私は、その場を冷静に観察、対処した師匠に
10・0を上げたいと思います(^^)

はぎ妻さん、まいど^^

>私はスピンターンなんてざんねんながら
>一度もみたことがありません。
見ない幸せ、っていうのもありますよ^^

>ところで、このトラックの運転手さんが、
>じぶんのスピンターンに「10.0」をもらったと知ってしまったら、
>ところかまわず自分のスピンターンを披露しまくり
>世の中の大迷惑になる可能性が考えられるので
>絶対に知らせない方が良いと思います(笑)
逆にあれ以来、激しく安全運転なひとになってる可能性も
あると思うだす^^

ヒラリーさん、まいど^^

>私は、父と乗っていた車で、まさしくスピンターンしました。
ここにもひとり、ネルソン・ピケが。。。(^^

>あんなことは、一生に一度でいい。。。
>トラックの運ちゃんには、私も10・0を出したいと思います。
ヒラリーさんには、あっしから、100点満点を
さしあげますだ。。。(-人-)ジンセイノスピンニモキヲツケヨウ

みなっきーさん、まいど^^

>オートポリスのお話、ゴルフ場の会員権のような話でしたね(TT)
>私は買ってないんですけど、バブルの時に買った人の話を
>聞くと何だか侘びしい気がします。。。
あのバブル、なんだったんでしょうね^^;

>私も阪神高速で軽のワンボックスがスピンターンしたのを
>観た事があります。これがまたゆっくりと
>キレイに回って行くんですよ。
>フィギュアスケートみたいに(笑)
ほんとになんであんなに現実離れしてんでしょうね^^

>私は、その場を冷静に観察、対処した師匠に
>10・0を上げたいと思います(^^)
ありがとうございます(^^♪
今後とも10.0に恥じぬよう、精進しますだ^^

師匠、まいどです。
僕も一度スピンターンしましたよ〜

神奈川のバイパスで、時速100kmでよそ見してたら、ガードレールに接触
そのまま2回転して反対側のガードレールで止まりました。
最初に接触した瞬間、まずシートベルトを確かめ、
車が回転してるときも、しっかり周りを見てました。
ボクサーの習性で、危険な時は目を瞑らないんですね〜

車は大破したけど、僕はかすり傷ひとつなし。
家にかえったら、僕が全然無事やったことがよけいに腹立つ!
ちゅうて、嫁はんに怒られました。

>家にかえったら、僕が全然無事やったことがよけいに腹立つ!
>ちゅうて、嫁はんに怒られました。
↑怒ってないってば〜!

はぎちゃん、まいど^^

>僕も一度スピンターンしましたよ〜
>神奈川のバイパスで、時速100kmでよそ見してたら、
>家にかえったら、僕が全然無事やったことがよけいに腹立つ!
>ちゅうて、嫁はんに怒られました。
問題は、なんでよそ見をしてたか、
ってことなんではないでしょうか^^;
それで、はぎ妻さんが怒ってるのでわ(^^?
時速100キロでも別嬪さんを見分ける動態視力。
その視力に10.0を差し上げます( ̄ー ̄)ニヤリッ

>↑怒ってないってば〜!
いやいや、こんな別嬪さんの奥さんがいながら、
よそ見するなんて怒っていいですよ~(^^

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