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2006年2月19日 (日)

中島敦の「山月記」

隴(ろう)西の李徴は博學才穎(さいえい)、
天寶の末年、若くして名を虎榜(こぼう)に連ね、
ついで江南尉に補せられたが、
性、狷介、自ら恃む所頗る厚く、
賤吏に甘んずるを潔しとしなかつた。

.
.
高校生のころだったか、中学生のころだったか、
現代国語の時間は大好きだった。
センセイがなんかしゃべってる間、
ぼくは教科書をぺらぺらめくっては、
適当に書いてある話を読んでいた。
国語の教科書というのは、実に楽しい代物だ。
適度な長さの、含蓄のある、話がたくさん載っている。
.
坂口安吾の「ラムネ氏のこと」や芥川龍之介は、
とくにお気に入りで何回も読んだ。
最近の教科書には、村上春樹さえ載っているらしい。
やれやれ
.
中島敦の「山月記」に出会ったのも、
現国の教科書だったと思う。
なんだか漢字の多い、むつかしい文章だな、と思ったものの、
話の内容にはひきこまれた。
.
秀才でとおっていた、李徴というおとこが、
当時の出世コースである、役人の試験に合格し、
勤めていたものの、
自分の才能を無駄に使ってるような気がして、
後世に名を残すべく、詩作の道に身をささげたが、
うまくいかず、役人に戻ったものの、
自分より、才能のない人間がすでに役人として出世しており、
これを無念に思う心をもちながら、
下級の役人として働いていた。
しかし、まだ詩作の方にも未練の心を持ちつづけている。
そうこうしているうちに、当人が失踪してしまった。
.
その後、李徴の友人の役人が人食い虎のでるという地方を
仕事で移動中、その虎に襲われるも、
寸前のところで虎は、李徴の友人を食わなかった。
その虎は、実は李徴のなれの果ての姿であった、
というような話だ。
.
高校生であったぼくが、感じ入ったところは、
中途半端な思いをひきずったあまり、
人とも獣ともわからぬものになってしまった、
李徴が、だんだんとほんものの獣におちていく
この部分だった。
.
しかし、その、人間にかへる數時間も、
日を經るに從つて次第に短くなつて行く。
今迄は、どうして虎などになつたかと
怪しんでゐたのに、
此の間ひよいと氣が付いて見たら、
己(おれ)はどうして以前、
人間だつたのかと考へてゐた。
之は恐しいことだ。今少し經(た)てば、
己(おれ)の中の人間の心は、
獸としての習慣の中に
すつかり埋(うも)れて消えて了ふだらう。

.
このようなことは、きっと自分にも起こるだろう。
自分は、ずっと獣ではなく、
人として立派に生きていけるだろうか、
当時のぼくは思ったものだ。
思えば、ピュアな心を持った、昭和の少年だったのだ。
.
今の自分が、あの当時の自分に恥ずかしくなく、
生きているかどうかは、とりあえず別にして^^;、
夜中のコンビニの前で、たむろってる、
今の腐れがきどもに、こんな気持ちはきっとわかるまいな。
.
.
.
▼エンタープライズ号のカウンセラー、ディアナ・トロイ少佐。
この人ほど、ひとの気持ちがわかるひともいない。
半分は、心の読める種族のベタゾイド人だし^^
Photo_6

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コメント

おお、同志も教科書で山月記に惹かれたクチなんですね~。私も好きです。あと「名人伝」なんてのもよかったですよね♪
で、教科書に出てた中島敦の写真を切り抜いて生徒手帳にはさんでたんですから、われながらマニアックな趣味してた女子高生ですよね・・・。持病の喘息でわずか33歳で早世した作家・・・惜しいなぁと思いました。

「山月記」!
懐かしいですね~、私も現代国語で勉強しましたよ。確か高校時代??
国語教師の目からすると教え甲斐のある話です。
でも、今の高校生に何を伝えられるのか?
と思うと悩んじゃいますね~。

教育実習で短歌や比喩の授業じゃなく、
こういう重たいものの授業やってみたかったです。
中学生には難しいか・・・。

>夜中のコンビニの前で、たむろってる、
>今の腐れがきどもに、こんな気持ちはきっとわかるまいな。
きっとムリです・・・。
あいつらには勉強以前に社会のルールを学ばせたい。
そして、その親達にも!!
(ちょっと教育者モード)

師匠~こんにちは♪
私も「山月記」大好きです。
そして中島敦に現在どはまり中です(笑)
今の私の気持ちをわかってくれるのは彼しかいない!と思うほどです(言い過ぎ?)
私も高校時代のともちんさんみたいに敦の写真手帳に入れておこうかな~?

どうでもいいけど、最近、はげの広告しかつかなくなった。
あっしは、いらん、つうに^^;

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同志、まいど^^

>で、教科書に出てた中島敦の写真を切り抜いて生徒手帳に
>はさんでたんですから、われながらマニアックな趣味してた
>女子高生ですよね・・・。
マニアックというのを超えてる~^^;
そんな女子高生は、たぶん歴史的にみても、
日本でひとりだけではなかったのでわ^^

>持病の喘息でわずか33歳で早世した作家・・・
>惜しいなぁと思いました。
同志にはそう思う資格が充分にあると思います。
ことばだけではない重みのようなものが感じられます^^

りょうさん、まいど^^

>「山月記」!
>懐かしいですね~、私も現代国語で勉強しましたよ。
>確か高校時代??
>国語教師の目からすると教え甲斐のある話です。
>でも、今の高校生に何を伝えられるのか?
>と思うと悩んじゃいますね~。
なんと大昔、あっしたちが習ってたときと同じように、
まだ国語の教科書に残ってるのですねー。
少なくとも、りょうさんのころまでは。
それは意外というか、ちょっと感激っす^^
でも、りょうさんが言うように、
そっからなんかを伝えるのは難しいかも知れないっすね^^;

>教育実習で短歌や比喩の授業じゃなく、
>こういう重たいものの授業やってみたかったです。
>中学生には難しいか・・・。
今の子には、現国じゃないかもしれませんね^^

>>夜中のコンビニの前で、たむろってる、
>>今の腐れがきどもに、こんな気持ちはきっとわかるまいな。
>きっとムリです・・・。
>あいつらには勉強以前に社会のルールを学ばせたい。
>そして、その親達にも!!
>(ちょっと教育者モード)
よろしく教育してやってくださいな(^^

はぎ妻さん、まいど^^

>私も「山月記」大好きです。
>そして中島敦に現在どはまり中です(笑)
あっしの知らないところで、密かにブレイクしてたみたいっすね^^

>今の私の気持ちをわかってくれるのは彼しかいない!
>と思うほどです(言い過ぎ?)
あっしは、はぎ妻さんの気持ちわかってますよ。
中島敦さんほどじゃないにしても^^

>私も高校時代のともちんさんみたいに
>敦の写真手帳に入れておこうかな~?
ヒラリー画伯の描いたあっしの絵も
ついでにお願いします'`,、('∀`) '`,、

おはようございます♪

変わり果てていく自分を客観的に認識できる人は、
すごく少ないんじゃないかなって思ったりします。

良いことは、慣れてきてると実感出来るのですが、
悪い方へは何故か実感できないまま染まっていくのは
何でなんでしょうね?(^^;

スゴイ額の横領事件や政治家の事件のニュースを観る度に
あぁ、最初は悪いことした!と罪の意識があっただろうに、
だんだん悪いことをしてる気がなくなったんだろうなぁとか

最初は、日本を変えたい!とか志を持って政界入りしたんだろうに、
だんだん慣習にならされていったんだろうなぁとか

ついつい考えてしまいます。
慣れってコワイですね(^^;

>敦の写真手帳に入れておこうかな~?
>ヒラリー画伯の描いたあっしの絵も
>ついでにお願いします'`,、('∀`) '`,、

・・・え?
敦(あつし)じゃなく「あっし」???
わはははは~!!!!
たまりませんわ~、同志!!

みなっきーさん、まいど^^

みなっきーさんの言うこと、すごくわかりやす。
んで、みなっきーさん本人ですが、あっしが見るに、
いいひとのまま、大人になっちゃった感じっすよねー^^;
それでいて、出過ぎない大人の余裕をただよわせていらっしゃる^^;
本当はショッカーの手先だったりしませんか???

同志、まいど^^

あっしがあつしに見えるくらいのファンなんですねー^^
はぎ妻さんとどっちが真のマニアかあっしが行司をしてあげやしょう^^

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